ゴヤの絵画の特徴
タピスリーを描いていた初期や肖像画家としての時期のゴヤは、
比較的明るい色で穏やかな雰囲気の絵画を制作していました。
肖像画は写実的でありながら、人物の内面までしっかりと表現しています。
ゴヤはかなりの観察力の持ち主で、人の心理を描くのが上手ながかでした。
しかし、病気で聴覚を失ってからは暗い色を使うようになり、
人間の内面のみにくさや苦悩をも表現するようになったのです。
これらの暗い絵画は、あまりに恐ろしくゴヤが生きている間には公表されませんでした。
また、ゴヤは版画家としても活躍しています。版画だけで300点近く制作しているんですよ。
白と黒の線だけで戦争を題材にした作品を多く残しています。
ゴヤの有名な絵画
宮廷画家として明るく穏やかな情景を描いていたゴヤ、
そして人の苦しみや内面を表現した暗い絵画を制作したゴヤ、
どちらかの絵画だけではゴヤを知ることはできません。
有名なゴヤの絵画を紹介しましょう。
■着衣のマハ・裸のマハ
同じポーズ、同じ構図で描かれたこの2つの作品は女性が服を着ている作品と着ていない作品の2つがあります。
着衣のゴヤの方が魅力的に見えるといわれています。
この作品は、ゴヤが宮廷画家だった1800〜1805年ごろにある貴族の依頼でこっそり制作した絵画です。
着衣のマハと裸のマハを見比べてみると、色の使い方も違うのです。
着衣のマハの方が、唇の赤やほお紅のピンクが強調されて、色鮮やかなのです。
マドリードのプラド美術館にあります。
■マドリード、1808年5月3日
スペインがフランスのナポレオンによって占領されたときの様子を描いた作品です。
恐怖や反抗、絶望、そして悲惨さを見事に表現している作品です。
この時代に描かれたゴヤの絵画の多くは『マドリード、1808年5月3日』と同じように暗い色のものが多いのです。
マドリードのプラド美術館にあります。
■わが子を食うサトゥルヌス
ゴヤの『黒い絵』シリーズで一番有名な絵画です。
とても恐ろしい絵画なのですが、ゴヤはなんとこの絵画を晩年すごした家の食堂の壁に飾っていました。
ローマ神話をもとにしたこの絵画は、年をとることを嫌っていたゴヤがこの神話にひきつけられたとか、
ゴヤの心の闇をあらわしているなど言われています。マドリードのプラド美術館にあります。
宮廷画家と心の闇を描いた画家の2つの顔をもつゴヤの作品の中で、
心の闇を描いた作品の方が現代でもとても評価されています。
暗い中にもゴヤの情熱が感じ取れる作品のおおくはゴヤの故郷であるスペインで多く見ることができます。
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